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蟯虫 Enterobius vermicularis.

我々が鑑別する機会のある蟯虫の虫体は、患者やその家族が持参するものがほとんどであり、保存状態は一様に悪い。鑑別には、特徴のある虫卵形態での確認や、虫体をある程度復元させる必要がある。蟯虫の頭部には特徴的な膨大部があり、透過処理を施すと食道につながって大きな食道球が観察できる。尾端は鋭く尖っている。雌は10mm程度、雄は5mm以下であるが、実際に見ることのできる虫体はほとんどが雌であり、その体内は無数の虫卵で満たされている事が多い。10mm程の虫体が糞便や患者の肛門付近から検出された場合には蟯虫である可能性が最も高いが、鉤虫の成虫なども同様の大きさなので、必ず実体顕微鏡などを使用して形態の確認をする様に注意してほしい。

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1.肛門周囲より採取された蟯虫。
2.透過光による全体像。右上が尾端。
3.前体部の透過処理像。食道につながり食道球があり、その周囲は虫卵で満たされている。

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4.頭部膨大部の拡大。口部には口唇を持つ事がわかる。
5.食道球の拡大
6.虫体内の虫卵

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7.8.9.虫体鑑別で提出された乾燥状態の虫体。この状態で鑑別するのは難しいので復元の処理を行う。

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10.蟯虫検査用セロテープで良く見られる柿の種様の虫卵。
11.幼虫の尾端が飛び出した虫卵。(糞便より検出)
12.これも蟯虫卵である。観察する向きによってはこのように見えるので注意。(糞便より検出)


注意 画像の無断使用は堅くお断りします。(写真撮影 HIROYUKI.FUKUTOMI)

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