アニサキス類 Anisakis.

(アニサキス、 シュードテラノーバ、 コントラシーカム、他)
アニサキス類は海獣を終宿主とする線虫なので、我々が通常鑑別する機会のある虫体は3期から4期にかけての幼虫である。これらはそれぞれ形態が異なるので注意が必要である。一般的な寄生虫学のテキストには3期幼虫の形態が記載されている様だ。またアニサキス類にはアニサキス、シュードテラノーバ、コントラシーカムなどの種類があり、これらは感染原因の魚類が異なっている。よって種の鑑別が疫学的に重要となるが、これには熟練の技術が必要である。鑑別する場合には、必ずグリセリンなどで透過処理を行い、口部外形、消化管、肛門や尾端の形態により鑑別する。虫体の断面から鑑別する事も可能だが、虫体がそのまま存在する場合には切片にはせず、透過処理により鑑別を行った方が種の同定は容易となる。アニサキス類は人体からの採取以外に、食材(魚類等)から採取された虫体が検査材料として持ち込まれる事も多い。この様な材料の場合にはアニサキス類以外の線虫も多い為、鑑別が困難と思われた場合には無理をせず、専門家に同定依頼したほうが良い。

(アニサキスT型 Anisakis simplex.)

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1.胃壁に進入したアニサキス3期幼虫。 2. A.simplex3期幼虫はこの様にらせん状に巻いている事が多い。
3.A simplex3期幼虫の全体像。 4.
A.simplex3期幼虫、前体部の暗視野透過像。胃の部分が白く見える。
5 A.simplex3期幼虫の口部。明瞭な穿孔歯が見られる。 6. A.simplex3期幼虫の尾部。
7 A.simplex3期幼虫の尾端。小棘を認める。 8. 9.何れもA.simplex3期幼虫の胃部拡大。胃盲嚢や腸盲嚢は認めない
10.  A.simplex4期幼虫の口部。口唇が露出して横紋輪も明瞭になる。
11.A.simplex4期幼虫の胃はS字形に湾曲している事が多い。
12. A.simplex4期幼虫の脱皮した口部の外皮部分。穿孔歯が外皮と共に剥がれている。

(シュードテラノーバ Pseudoterranova decipiens.)

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(コントラシーカムD型 Contracaecum typeD.)

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( Lappetascaris属 )
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注意 画像の無断使用は堅くお断りします。(写真撮影 HIROYUKI FUKUTOMI)